
静岡大学・読売新聞連続市民講座
多くの人命を奪った東日本大震災は、これまでの価値観を根底から覆しました。
これまで経験したことのないような大惨事に直面したことにより、改めて〈いのち〉と向き合う重要性にも気づかされました。
そこでこの講座では、生命の起源、生命倫理、生物の共生、終末期医療など、〈いのち〉をめぐる問題を多角的に捉え、静岡大学の研究者がそれぞれの専門分野から探究していきます。
○プログラム
第1回 5/26(土)
寿命のない生き物が地球を変える、支える
細菌は地球上に最初に登場し、地球環境を変えながら地球上のあらゆる場所に分布しています。そして彼らには寿命という概念が当てはまりません。生命とは何か、ここから考えてみます。
講師:加藤 憲二(静岡大学理学部地球科学科教授/地球環境微生物学)
第2回 6/23(土)
正義論と生命倫理
サンデルの「ハーバード白熱教室」を通じて日本でも注目されている正義論の観点から、遺伝子操作や臓器移植といった生命倫理の問題について考えてみたいと思います。
講師:石井 潔(静岡大学理事・副学長/哲学・倫理学)
第3回 7/21(土)
共生するいのち ~微生物にみる生命の生き残り戦略~
微生物が植物や動物と互いに利益を得ながら生きる相利共生について紹介します。相利共生の多くは何百万年も前に起源をもち、時間とともに共に進化し依存しあう関係も生み出しています。
講師:鮫島 玲子(静岡大学農学部共生バイオサイエンス学科准教授/土壌微生物学)
第4回 8/25(土)
終末期医療におけるいのちとこころ
人はいのちが尽きようというときに際して、さまざまな思いがこころの中にめぐりくることになります。死に向き合う人々のいのちとこころのありようについて考えます。
講師:笠井 仁(静岡大学人文社会科学部社会学科教授/臨床心理学)
第5回 9/29(土)
〈弱さ〉という絆とコミュニティ ~病いの経験を物語ることの意味~
こころ・いのちをめぐる病いに直面している人々は、他者の支援を必要とする人たちであるが、他方、彼らが語る病いの経験の物語は、他者の支えとなり、やがてはわたしたちの地域社会に豊かな人間関係を築くことがある。実践例もふまえながら、〈弱さ〉という絆を媒介としたコミュニティの可能性を模索したい。
講師:南山 浩二(静岡大学人文社会科学部社会学科教授/社会学)
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